「背に腹はかえられぬ」を英語ではどういうかについて解説していきます。
このことわざには3つの英語表現が当てはまりますので、それぞれ見ていきましょう。
【背に腹はかえられぬ】
意味:差し迫った苦痛を回避するためには、他のことを犠牲にしても仕方ない。
意味:差し迫った苦痛を回避するためには、他のことを犠牲にしても仕方ない。
- Needs must when the devil drives.
- Necessity has no law.
- Better the purse starve than the body.
Needs must when the devil drives.
- 直訳:悪魔が駆り立てるとどうしてもしなければならない。
- 意味:必要ならいやでもせざるを得ない。
- 用語:drive:追いやる、駆り立てる
解説
このことわざは、15世紀のイギリスで生まれた言葉で、ウィリアム・シェイクスピアが1603年頃に作った戯曲「終わり良ければすべて良し」のセリフでも使われています。
悪魔に迫られると、嫌でもそうせざるを得なくなる様子から「必要にかられてしたくないことでもやらなければいけない」という意味を持ちます。
後半部分を省略して「Needs must.」のみで使われることもあります。
Necessity has no law.
- 直訳:必要には法律がない。
- 意味:切羽詰まった状況では、法律を破ることもある。
- 用語:necessity:必要、必要性 / law:法律
解説
このことわざは、第一次世界大戦でドイツがベルギーを侵略した際、侵略を正当化したドイツ首相のコメントに使われた表現です。
「Necessity knows no law.」と言われることもあります。
「どうしてもそうしなければならない追い込まれた状況では、手段を選べず、法律さえも破る必要がある」といったニュアンスです。
Better the purse starve than the body.
- 直訳:飢えに苦しむのは体よりも財布の方がよい。
- 意味:大事なことのために他のことを犠牲にするのはやむを得ない。
- 用語:purse:財布 / starve:飢えに苦しむ、餓死する、渇望する
解説
この言葉の由来は不明ですが、「背に腹はかえられぬ」に相当する英語表現です。
「胃の中が空になるよりも、財布が空になる方がましだ」という意味で、切羽詰まって、大事なものを守るために何かを犠牲にせざるを得ない状況で使います。
また上記のことわざ以外にも「背に腹はかえられぬ」の意味を直訳して、
- There is nothing else I can do.
- There is no other choice.
と表現することもできます。
「背に腹はかえられぬ」の英語表現について解説しました。
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