「英熟語がなかなか覚えられない…」「イディオムの暗記が苦手で後回しにしている…」と悩んでいる英語学習者の方も多いのではないでしょうか?
英語表現をより豊かにするために必須の英熟語ですが、似た表現が多く、英単語に比べて暗記が難しいですよね。
この記事では、英熟語の効率的な覚え方や暗記のコツ、英熟語の学習におすすめの参考書やアプリなどについて解説します。
英熟語やイディオムを覚えるのに苦戦している方は、ぜひ参考にしてみてください。
英熟語の覚え方と効率的に暗記する8つのコツ
英熟語は参考書を見てひたすら暗記するだけでは記憶に残りにくく、使いこなせるようになりません。
これからご紹介する英熟語の覚え方8つのコツを参考に、工夫して英熟語を暗記していきましょう。
コツ1:イメージで暗記する
英熟語を暗記する際、日本語で書かれた意味を覚えるのではなく、意味を頭の中で映像化し、「イメージで覚える」のが非常に効果的です。
具体的には以下の5つの方法があります。
1.頭で意味やニュアンスをイメージする
英熟語の意味を確認する時、頭でその意味を映像化してイメージしてみましょう。
たとえば「get up(起床する)」の場合、誰かがベッドの上で身体を起こしている姿を想像します。
意味を言葉としてだけでなく、イメージとして覚えておくと、次にその英熟語が出てきた時に、頭の中に自然とイメージが思い浮かぶようになります。
イメージがいまいちつかめない場合は、英熟語をGoogleで画像検索してみるのもおすすめです。
2.前置詞や副詞のシンボルをつかむ
英熟語は前置詞や副詞を含んだ表現が多いです。
そのため、それぞれの前置詞や副詞のシンボルをイメージでつかんでおくと、英熟語のイメージも理解しやすくなります。
たとえば先程の「get up」に使われている副詞「up」には、「(何かを)上の方(高いところ)へ」というシンボルがあり、「get up」になると「自分の身体(頭)を上の方へ=身体を起こして立つ」という映像がイメージできます。
前置詞や副詞のシンボルをイラストなどを用いてわかりやすくまとめている英語の参考書も多いので、前置詞や副詞のイメージがまだつかめていない方は、そういったイメージの説明がされている参考書を選ぶといいでしょう。
3.直訳して語源や背景を理解する
ことわざや慣用句の場合、直訳して語源や背景を理解するのも暗記に効果的です。
たとえば「on the fence」は「決めかねている、迷っている」という意味の慣用句ですが、直訳すると「フェンスの上で」となり、2つの領域の境界にあるフェンスの上にいて、どちらに行くか迷っている様子がイメージできます。
このように直訳して語源を理解すると、その英熟語の持つ意味が理解しやすくなるだけでなく、より具体的なイメージを持ち、ストーリーとして覚えると記憶にも残りやすくなります。
4.英熟語の背景を理解する
英語の慣用句やことわざは、歴史や宗教、スポーツなどに由来するものが多くあります。
先程の直訳して語源を理解するのと同じように、その言葉の由来や背景を調べ、そこからイメージを作り出すと記憶にも残りやすくなります。
5.エピソード記憶を利用する
エピソード記憶とは自分自身の経験に関連した記憶を指します。
英熟語の意味を理解したら、自分のこれまでの経験に紐づけてイメージを考えてみましょう。
覚えにくい英熟語でも、自分の経験と結びつけてイメージしておくと、次にその英熟語が出てきた時、一緒に覚えていた自分の経験や状況を思い出し、英熟語の意味も思い出しやすくなります。
コツ2:五感を活用して暗記力を4倍高める
これまでお伝えしてきたイメージで記憶する方法は、「視覚」を活用した記憶法です。
このように五感をフル活用すると、インプットする入り口が増え、暗記力を高められます。
五感を活用した暗記法には、他にも以下の2つの方法があります。
1.聞いて発音する
英熟語を「聞いて発音する」とは、つまり聴覚を活用して暗記する方法です。
英熟語を覚える時は、必ず音声を聞いて口にするようにしましょう。
参考書に付属している音声データや英語学習アプリ、YouTube動画などを活用するのがおすすめです。
聞くだけでなく話す練習もセットでしておくと、自然に英熟語を使いこなせるようになるための訓練にもなります。
2.ノートに書いてアウトプットする
ノートに書いてアウトプットする方法も有効です。
これは書いた文字を認識する視覚に加え、「書く」という手を使った動作でのアウトプットを通して、自分の理解がより深まるというメリットがあります。
コツ3:簡単な例文を作って覚える
英熟語を覚える際、例文を作るのもおすすめの方法です。
簡単で短い文章でいいので、自分の知っている単語を使って例文を作ってみましょう。
例文を考える際は、以下の2つのポイントを意識してみてください。
1.細かいニュアンスは気にしなくてOK
例文を考える際、細かいニュアンスは気にしなくてOKです。
例文を考えていると、「この英熟語ってこの状況で使っていいのかな?」「ビジネスでも使っていい表現なのかな?」といった疑問が出てくる場合がありますが、そういった細かい部分はこの時点で気にしなくて問題ありません。
もし間違っていれば、その後アウトプットの際に指摘してもらって修正すればいい話なので、例文を考える段階では、とりあえず自分が理解している意味で考えられる例文を作ってみましょう。
2.作った例文を何度もブツブツ言ってみる
例文ができたら、独り言のように何度もブツブツ言ってみてください。
英熟語を使う練習にもなりますし、英熟語を音で頭に認識させられます。
コツ4:同じ英単語の熟語をまとめて暗記する
同じ英単語が使われた熟語をまとめて暗記する方法もあります。
これは特に句動詞を暗記する際におすすめの方法です。
たとえば動詞「look」には、
- look at(〜を見る、考えるなど)
- look for(〜を探す)
- look like(〜のように見える、〜に似ている)
- look after(〜の世話をする)
など、数多くの句動詞があります。
このように同一の動詞の句動詞はまとめて覚えた方が似たものを区別しやすく、かつ漏れなく覚えられるのでおすすめです。
コツ5:カテゴリー・テーマごとに覚える
カテゴリーやテーマごとに英熟語を覚えるのもおすすめです。
たとえばカテゴリーを「食べ物」に設定した場合、
- a piece of cake(朝飯前、楽勝)
- couch potato(長時間ソファでテレビを見ている人)
- not one’s cup of tea(好みでない、興味がない)
- butter up(ごまをする)
- take the cake(並外れている)
などの英熟語が出てきます。
特に慣用句はカテゴリーやテーマを設けて覚えると、楽しく学べて記憶にも残りやすいのでおすすめです。
コツ6:1日100フレーズの英熟語に触れる
英熟語は1回で完璧に覚えようとするのではなく、反復を意識した方が効率よく覚えられます。
そのため英熟語を覚えるなら、1日100フレーズなど、毎日できるだけたくさんの英熟語に触れるのがおすすめです。
1回で覚える必要はなく、何度も目にして、英熟語のイメージを少しずつ頭に残していくよう意識してみましょう。
コツ7:歌詞を使って覚える
洋楽が好きな方は、自分の好きな楽曲をピックアップして、歌詞に使われている英熟語を覚えるのもおすすめです。
音楽の歌詞は、詩的表現が多く、イディオムがたくさん使われている曲も少なくないので、英熟語を学ぶにはぴったりの教材です。
自分が好きな曲だとより楽しく学べるので、洋楽が好きな方はぜひやってみてくださいね。
コツ8:覚えにくい英熟語に的を絞る
英熟語は数え切れないほどあるので、効率よく英熟語を身につけるには、覚えにくい英熟語に絞って学習するのもポイントです。
参考書に載っている英熟語を最初から最後まで完璧に覚えていきたい気持ちもわかりますが、ぱっと見てすぐ意味やイメージがわかるものは、スキップして問題ありません。
英熟語の並びが覚えられない、すぐにイメージが推測できない、似た表現と混同してしまってなかなか覚えられないなど、自分が覚えにくいものを繰り返し学んでいきましょう。
ここまで英熟語の覚え方や暗記のコツについて解説してきましたが、英熟語の覚え方は、英単語の覚え方と似ている部分もあれば、異なる部分もあります。
英単語の覚え方や勉強法についても気になる方は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
>>英単語の覚え方・勉強法|TOEICや大学受験で使える暗記の10ステップ
英熟語のおすすめ参考書とアプリ
英熟語を身につけるには、参考書やアプリの活用も欠かせません。
こちらでは英熟語の暗記におすすめの参考書とアプリを解説します。
英熟語ターゲット1000
大学入試に必須の英熟語1000語をピックアップし、複数ある意味の中から入試に出やすい意味や覚えておくと価値があると判断した意味を選び、掲載されています。
また入試に出やすいものから順に並べられているので、効率的に大学入試に必須の英熟語を学べるのも特徴です。
受験対策だけでなく、とりあえず定番の英熟語の参考書がほしい方にもおすすめです。
ターゲットの友(英熟語ターゲット1000のアプリ版)
ターゲットの友は、英熟語ターゲット1000を含むターゲットシリーズのアプリ版です。
これまで200万人以上の高校生が利用してきた定番の英単語アプリで、2015年には日本e-Learning大賞を受賞しています。
このアプリだけで英単語から英熟語まで網羅できるので、英単語と一緒に英熟語も合わせてアプリで学びたい方におすすめです。
速読英熟語
速読英熟語は、英文を読みながら英単語を学べるZ会の「速読英単語」の英熟語版です。
英文を読みながら、英熟語を学ぶ構成になっており、英熟語の意味を予測しながら読む練習ができたり、文章中での英熟語の使われ方を同時に学べます。
リスト形式の単語帳でなかなか効果が得られなかった方におすすめの参考書です。
解体英熟語
センター試験と主要難関42大学の入試問題を分析し、1000語以上の英熟語を収録したZ会の参考書です。
見開きの左側に熟語と意味、右側に例題が掲載されており、暗記や受験対策にピッタリの構成になっています。
熟語は必修から上級までカバーされているため、中上級者の方や、難関大学を受験される方におすすめです。
ユメジュク
ユメジュクは、夢を叶える英単語「ユメタン」の英熟語版です。
高校基礎から難関大入試頻出の英熟語まで網羅しています。
無料音声は例文を中心に練習できるよう工夫されているので、音声で学習したい方にもおすすめの参考書です。
システム英熟語
システム英熟語は、駿台が出版している大学入試対策に定番の英単語帳「システム英単語」の英熟語版です。
動詞や前置詞のイメージで英熟語を分類し、イラストも交えながら論理的・体系的に解説されているので、英熟語のイメージをつかみたい人におすすめの参考書です。
英熟語Always1001
英熟語Always1001は、河合塾から出ている英熟語用の参考書です。
難易度順に3つのレベルに分けて英熟語が並んでいるので、自分のレベルや志望校の難易度に合わせた学習ができます。
また英熟語を理解する上で重要なのにつまづきやすい前置詞についてわかりやすくイラストで解説されているため、前置詞のイメージがつかめていない方におすすめの参考書です。
英熟語FORMULA1000
英熟語FORMULA1000は、東進ハイスクール講師の安河内哲也先生のベストセラー「英単語FORMULA1700」の英熟語版です。
文法的に同じタイプの英熟語をグルーピングし、本質的な文法知識として英熟語をマスターできるよう工夫されているのが特徴です。
また目的語などを伴う英熟語は、名詞を「〜」、形容詞・副詞を「…」と表記するなど、区別しやすい記号で表記されているので、英熟語が文中でどのように使われるのか理解しやすくなっています。
合格英熟語300
合格英熟語300は、入試で頻出度の高い英熟語を300語のみピックアップした参考書です。
英熟語を初めて勉強する方や、とりあえず必要最低限の英熟語を覚えたい方におすすめの一冊です。
持ち運びしやすいサイズなので、隙間時間に学習したい方にもぴったりです。
京大院生が書いたイメージでつながる英熟語
京大院生が書いたイメージでつながる英熟語は、主に句動詞に使われる前置詞のイメージを、ゲーム感覚で身につけられる珍しい参考書です。
認知言語学に基づいた「前置詞イメージ連想術」という本書独自の方法を用いて、句動詞を丸暗記するのではなく、前置詞の基本イメージから意味をつなげていく連想ゲームのようなやり方を習得できます。
英熟語の丸暗記が苦手な方にぜひ試してほしい参考書です。
入試頻出 正攻の英熟語1000
正攻の英熟語1000は、入試頻出の英熟語を基礎から根本的に理解できるよう構成された参考書です。
3部構成になっており、第1部では前置詞や副詞の基本的な考え方や成り立ちを、第2部では基本動詞の理解、第3部では演習問題と、基礎から実践問題まで網羅されています。
基礎から学びたい方や、演習問題が入っている参考書を探している方におすすめの参考書です。
キクジュク Basic 1800
キクジュクBasic1800は、アルクが出版する人気英単語学習シリーズ「キクタン」の英熟語版です。
心地よい音楽に合わせて英熟語を覚えていくという耳からインプットするスタイルで、687の熟語を1日16熟語、7週間かけてマスターするよう編集されています。
目で見て暗記するのが苦手な方におすすめの参考書です。
英熟語図鑑
英熟語図鑑は、英語を図鑑で学ぶ「語源図鑑シリーズ」の英熟語版です。
前置詞・副詞・基本動詞のイメージをわかりやすいイラストを見ながら学習できるだけでなく、無料音声を使うとイメージと音の両方からのインプットが可能です。
中学レベルの句動詞を網羅しているため、初級〜中級レベルの句動詞を基礎からしっかり覚えていきたい方におすすめの参考書です。
発音とタッチで覚える英熟語「600問」(アプリ)
発音とタッチで覚える英熟語600は、受験対策や英検対策にも対応した英熟語に特化した学習アプリです。
キーボードで空欄を埋めていったり、並べ替えをしたりするクイズ形式や、英熟語を意味と一緒に表示させる単語カード形式があり、ちょっとした隙間時間でも簡単にゲーム感覚で学習できます。
単語帳の持ち運びが嫌な方や、英熟語を楽しく学びたい方におすすめの学習アプリです。
日常英熟語(アプリ)
日常英熟語は、日常英会話で頻出の1200の英熟語を練習できる、英熟語専用の学習アプリです。
英熟語は30個を1レッスンとしてまとめられており、レッスンが終わるごとにテストを受ける機能もあります。
間違いやすい英熟語を登録できるお気に入り機能や、辞書機能もあるので、自分のペースで英熟語を暗記したい方におすすめの学習アプリです。
英熟語の暗記が難しい理由
ここまで英熟語の覚え方のコツやおすすめの参考書について解説してきましたが、そもそもどうして英熟語の暗記に苦戦する英語学習者が多いのでしょうか?
こちらでは英熟語の暗記が難しい理由について、詳しく見ていきましょう。
英熟語の暗記が難しく感じるのは、以下の4つの理由があります。
1.似た英語表現が多く、区別が難しい
まず英熟語は似た表現が多く、区別が難しいという理由です。
特に句動詞は同じ動詞で前置詞が変わるだけで大きく意味が変わり、ひとつひとつ意味やイメージを正しく覚えていくのは大変です。
2.目的語が複数あり、迷う
目的語を2つ取る英熟語の場合、どちらに何を当てはめるべきか迷うケースがあります。
たとえば、
という表現の場合、Aには人、Bには物を置きますが、A・Bというアルファベットで暗記していると、実際この表現を使って話す時に、「Aが人だっけ?Bが人だっけ?」といったようにどちらが人か物か迷ってしまいます。
英単語であれば1語覚えるだけいいですが、英熟語は語順や文中での使われ方も合わせて覚えないと意味がありません。
3.日本語にはない前置詞を伴う表現が多い
句動詞は後ろに来る前置詞や副詞によって意味が違ってきますが、日本語にはこういった仕組みがなく、「前置詞が変わるだけで、こんなに意味が違うの?」と覚えづらく感じる人が多いです。
また1つの動詞だけでも多くの句動詞が存在するため、1つ1つ覚えていくのにかなり苦労します。
4.単語の組み合わせと熟語の意味の関連性がわかりにくい
構成している単語から意味を想像しにくい英熟語はたくさんあり、これも英熟語を難しく感じる原因の1つでしょう。
たとえば「live up to A」は、「A(信念、名声など)に沿う、裏切らないように行動する」といった意味がありますが、「live」や「up」のイメージからは少し想像しづらい意味ですよね。
このように構成している単語のイメージと英熟語の意味に関連がない場合は、フレーズ全体や例文を発音しながら、熟語の意味を頭で映像化してイメージしてみるのが有効です。
やってはいけない英熟語のNG勉強法
英熟語を効率的に暗記するコツはすでにお伝えしましたが、反対に、効果が少ない絶対にやっていけない勉強法についても解説しておきます。
これまでの自分の勉強法が当てはまっていた方は、先ほど解説したコツを参考にしつつ、英熟語の覚え方や勉強法を見直してみてくださいね。
1.意味だけで丸暗記する
まずは一番ありがちな英熟語と意味だけで丸暗記する方法です。
英熟語と意味をセットで丸暗記するのは、最もスタンダードな勉強法ですが、ずっと記憶として残したいのであれば、あまり有効な方法とは言えません。
- 意味をイメージ化して映像と一緒に暗記する
- 英熟語の由来や背景を理解してストーリーとして暗記する
といったように、英熟語を暗記する時はインプットの入り口を増やすよう意識しましょう。
2.目で見るだけで覚える
目で見るだけで覚えるのも、あまり効果の得られない勉強法です。
- 音声を聞く
- 発音する
- 書いて覚える
など、視覚以外の五感もフル活用して学習するよう意識しましょう。
3.インプットのみ行う
ひたすらインプットのみを行うのもあまりおすすめしません。
英語はインプットとアウトプットの繰り返しで、自然に使える実践力が身についていきます。
覚えた英熟語はすぐアウトプットして、実際に何度も使ってみましょう。
アウトプットすると、意味のニュアンスが違っていたり、使うシーンが間違っていたりなど、できていない部分が明確になり、より理解を深められます。
自分で例文を作って発音するだけでもいいですが、きちんと理解できているか不安な方は、オンライン英会話などを活用してみるのもおすすめです。
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4.毎日少ない熟語数を完璧に覚える
英熟語を1度で完璧に覚えようとするのも、非効率的な勉強法です。
英熟語は何度も目にして、何度も意味をイメージして、何度も口にして、だんだんと身についていくものです。
そのため一気に覚えようとするよりは、毎日少しずつ積み上げていくような意識を持っておくといいでしょう。
英熟語を覚えるメリット
英語学習において、英単語だけでなく英熟語も覚えるメリットはたくさんあります。
こちらでは英熟語を覚えるメリットについて見ていきましょう。
英語の理解の幅が広がる
英熟語が身につくと、英語の理解の幅が広がります。
英熟語は構成している英単語とは関連のない意味を持つ場合も多いため、英熟語を学ぶと特にリスニングやリーディングでの理解力がアップします。
知っている単語を使って表現の幅を増やせる
英熟語は簡単な英単語で構成されているものが非常に多く、初級レベルの方でも、英熟語を学べば知っている単語を使って表現の幅を増やせます。
たとえば「調査する」はニュースなどで「investigate」がよく使われますが、「look into」でも同じ意味を表現できます。
英熟語が身につくと、新しい単語を覚えなくても、すでに知っている単語を組み合わせるだけで多様な表現ができるようになります。
ネイティブが使う自然な英語表現が身につく
英熟語はネイティブの会話でも頻繁に使われるため、英熟語の習得を通してより自然な英語表現が身につきます。
たとえば「埋め合わせする、帳消しにする」と言いたい時には「make up」が日常英会話ではよく使われますが、「compensate」という単語もあります。
この場合「compensate」を使っても間違いではありませんが、「make up」よりもフォーマルでかたい印象があるので、家族や友達とのやり取りで使うなら「make up」の方が自然です。
このように英熟語にはネイティブが日常会話でよく使うカジュアルな表現がたくさんあるので、英単語だけでなく英熟語も学んでおくと、よりナチュラルな表現力が身につきます。
英熟語の種類と違い
英熟語は「2つ以上の単語が結合して、1つの意味を持つもの」を指しますが、いくつか種類があります。
ここでは英熟語の種類や、他の文法用語との違いについて見ていきましょう。
英熟語の種類
英熟語は大きく分けて以下の3種類があります。
- 動詞+前置詞(副詞)
- よくある言い回し
- ことわざ・慣用句
それぞれ解説します。
動詞+前置詞(副詞)
「look at」や「look for」のように動詞と前置詞(副詞)がセットになっている英熟語を「句動詞」と呼び、英語では「phrasal verb」と言います。
種類が非常に多く、区別が難しかったり、1つの句動詞で多くの意味を持っていて理解しづらかったりするので、英熟語の中でも暗記しづらい種類でもあります。
1つの動詞に関わる句動詞はまとめて覚え、意味をそれぞれイメージしながら何度も繰り返して覚えるのがおすすめです。
よくある言い回し
「of cource(もちろん)」「by the way(ところで)」「say hello to A(Aによろしく)」のように、日常英会話でよく使われる決まり文句も英熟語の1つです。
主に会話で使われるので、暗記したら何度も口に出して、アウトプットしながら覚えていきましょう。
映画や海外ドラマを観て覚えるのもおすすめの方法です。
ことわざ・慣用句
「Time is money.(時は金なり)」のようなことわざや、「a piece of cake(朝飯前)」のような慣用句も英熟語に含まれます。
どちらも直訳と本来の意味が異なるので、覚えていないと意味を想像しづらいのが特徴です。
しかし文化や宗教、スポーツなどに由来をしているものも多く、そのストーリーを調べると非常におもしろいので、覚える時は由来を調べてそのストーリーもセットで覚えると暗記しやすいでしょう。
英語のことわざに関しては以下の記事でまとめているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
>>日本のことわざを英語で言うと?ことわざ一覧160選
英熟語とイディオムの違い
「英熟語」と「イディオム」は同等の意味として使われる場合もありますが、厳密には次のような違いがります。
- 英熟語=2つ以上の単語のまとまり
- イディオム=2つ以上の単語のまとまりで、直訳では意味がわからないもの、主に名詞句(=慣用句)
英熟語の中にイディオムが含まれている、と考えるとわかりやすいです。
イディオムは英熟語の中でも直訳と本来の意味が異なる表現を指し、日本語で言う「慣用句」に相当します。
英熟語と句動詞の違い
句動詞も英熟語の種類の1つで、英熟語の中に句動詞が含まれているイメージです。
句動詞は英熟語の中でも「動詞+前置詞(副詞)」の形になっているものを指します。
英熟語と構文の違い
構文は「よくある文構造を持った一文」を指します。
言い換えれば、定型文のようなものです。
SVOやSVOCといった基本文型で構成される構文を覚えておくと、より文法理解が深まります。
英熟語は単語のまとまりなので、構文の中に英熟語が含まれていると考えるとわかりやすいでしょう。
英熟語の覚え方を工夫して、効率的に英語力を伸ばそう
この記事では、英熟語の効率的な覚え方や暗記のコツ、英熟語の学習におすすめの参考書やアプリなどについて解説しました。
英熟語は英単語に比べて暗記が難しい部分もありますが、覚え方のコツを押さえて、少しずつ繰り返し覚えていけば問題ありません。
毎日の積み重ねが大切なので、焦らず少しずつ英熟語を身につけていってくださいね。
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