TOEICのリスニング対策の勉強法について解説していきます。
こちらでは初心者から800点超えを目指す上級者まで、TOEICリスニングパートの勉強法を探している方に、TOEIC880点を獲得した私が実践してきた勉強法をお知らせします。
まずTOEICリスニングセクションの全体像および各パートの特徴を説明してから、TOEICリスニング対策の勉強法及びコツをお知らせし、おすすめの教材をご紹介した後に、裏技的な得点力アップの方法をお伝えします。
TOEICリスニングセクションはパートごとにパターンが決まっているので、試験対策をすると効果的にスコアを伸ばせます。初心者から600点、700点、800点とスコアを伸ばしたい人すべてに役立ちますので、是非最後までご覧ください。
TOEICリスニングセクションの特徴
TOEICは120分200問の試験で、前半45分で100問のリスニングセクション、後半75分で100問のリーディングセクションからできています。前半45分のリスニングセクションは以下の4つのパートに分けて出題されます。
パート | 問題形式 | 問題数(選択肢数) |
Part1 | 写真描写問題 | 6問(4択) |
Part2 | 応答問題 | 25問(3択) |
Part3 | 会話問題 | 39問(4択) |
Part4 | 説明文問題 | 30問(4択) |
Part1:写真描写問題
写真を見て、それを適切に説明するナレーションを4つの選択肢から選ぶ問題です。オフィスや日常で見られる光景が提示されます。
Part2:応答問題
最初のスピーカーの問いかけに対して答えとして意味が通じるものを3つの選択肢から選ぶ問題です。
Part3:会話問題
2者もしくは3者間の会話を聞いて、その内容に対する3つの4択質問に回答していきます。
Part4:説明文問題
アナウンスやナレーションを聞いて、その内容に対する3つの4択質問に回答していきます。
TOEICのリスニング力を鍛える4つのポイント
TOEICのリスニングセクションで高得点を取るためには、以下の4つのポイントを強化・対策する必要があります。
2.音の聴き分け力をつける
3.英文の理解力・読解力をつける
4.リスニング問題の傾向を知る
次にTOEICリスニングセクションの勉強法を紹介しますが、それぞれの勉強法が上記のどのポイントを強化するものなのかを理解しながら取り組むと効果的に得点力を高めていけるでしょう。
TOEICリスニング対策の勉強法
リスニングの基礎から強化できる、TOEICリスニング対策の勉強法・対策をお伝えします。
TOEIC対策の単語を覚える
TOEICリスニング対策の基礎となるものは間違いなく単語です。
単語帳もしくは単語アプリを1つ手に入れて最低でも860点レベルの単語までは90~95%近くマスターできるようにしましょう。
当サイトえいごーずでおすすめする単語帳は金のフレーズ、単語アプリはmikanです。特に金のフレーズはTOEIC対策の単語学習の定番にもなっており、それだけで十分800点オーバーを狙える単語帳です。
>>出る単特急 金のフレーズの使い方へ
TOEIC対策の問題集をやる
試験の傾向は演習問題を繰り返し実践することでとらえられます。TOEIC対策用の英単語を覚えたらとにかくTOEIC対策用の問題集に取り組み、その傾向を肌で感じるようにしましょう。
また問題演習を実践する際には必ず試験時間に則した解答時間を設けるようにしましょう。
ディクテーション
ディクテーションは英語をちゃんと聴き取れるようになることを強化するトレーニングです。
間違えた問題もしくは聴き取りがあいまいだった問題について、一字一句書きとれるようになるまでディクテーションを繰り返しましょう。
ディクテーションをすることで聞き流している、もしくは聞き落としている単語や、単語間のリエゾンなども理解できるようになり、何を言っているのかが加速度的にわかるようになります。
シャドーイング
シャドーイングは読み上げられる音声を完全にコピーして文字に頼らず発声・発音する練習です。
聞いた音を発音し、音の強弱やリアルな発音をつかむことで、ディクテーションではとらえきれない英語のリズムを理解し、他の音にも応用して聴き取れるようになります。
さらに音声を流しながら文章を流し読みして理解するようにすると、リスニングの理解力とリーディングの読解力を飛躍的に高められ、リーディングパートの解答時間短縮にも貢献します。
間違えた問題は正解するまで定期的に繰り返す
間違えた問題や解答があいまいだった問題は、定期的に見直して正答できるようにしておきましょう。
見直す際にはどうして間違ったのか、どの音が聴き取れなかったのか、何を聴き違いしたのかを理解し、間違いのクセをパターン化して、どのようにすれば正答に辿り着けるのかを明確にしておくと、試験前のチェックポイントとして確認できます。
毎日欠かさず問題演習をする
毎日TOEICのリスニング問題に触れることで常にTOEIC脳を起動しやすくしておくと勉強の効率も上がり得点力を高めやすくなります。
正答率が上がってきたら倍速で聴きとる練習をする
正答率が上がっているのは、普通の速度で本文を聴き取れるようになってきているだけでなく、文脈も理解できるようになってきている証拠です。
問題演習で7割8割の正答率に到達したらすでにTOEICスコア800点を超えていることでしょう。さらに高得点を狙うために、1.2倍速、1.5倍速、2倍速とスピードを上げていき、内容を理解するトレーニングをするようにしましょう。
1.2倍速で内容を理解できるようになるだけでも相当リスニング能力が高まっています。単にスピードをアップするのではなく、各倍速スピードにおいて内容を理解できるレベルまで到達できるようにすると良いでしょう。
定期的に100問通してやる
リスニング問題をパートごとに1問1問解くのも大切ですが、定期的にリスニングセクションを45分という時間を決めて100問通して解く練習もしましょう。
時間を意識しなければ正答できるのに、時間を決めて解き始めた途端、間違いが多くなることもあるので、時間制限がある中で自分がどのような間違いをしやすいのかを把握してそれを防ぐような対策を考えておくことは必要でしょう。
また後程も述べますが、Part3とPart4対策には解答の選択肢の先読みも必要になってきます。その先読みの要領も45分を通して100問解くことでつかめるようになるでしょう。
試験前1ヶ月は問題の解き方を刷り込む
TOEICは英語の基礎力に加え、各Partの特徴を捉え自分の間違いの傾向を理解し、いかに自分の間違いのクセを潰せるかで得点力が大幅に変わってきます。
特にリスニングはリーディングとは違い、先読みなどのテクニックで解ける部分が大きいので、本番のテスト前に模試問題を数多く解くことによって、時間管理と先読みの感覚などをギリギリまで高められるはずです。
TOEICリスニングセクション攻略のコツ
TOEICリスニング対策の勉強法とは別に、TOEICリスニングセクション各Part攻略のコツを解説していきます。
Part1攻略のコツ
TOEICリスニングセクションPart1攻略のコツや注意点は2つあります。
1.進行形と現在形を意識して聞く
静止している状態なのにもかかわらず、「~ing」と表現している場合があり、進行形か現在形かを意識するだけで誤答を防げる問題があります。
2.メインでないものが答えになる問題がある
例えば写真の中に人物が写っていたとしても、その人物が着ている服や動作が正答にならない場合があります。その周りの情景も意識するようにしましょう。
Part2攻略のコツ
TOEICリスニングセクションPart2の攻略のコツは4つあります。以下に掲げる4つを意識して聞くだけでも正答率はかなり上がりますので、問題演習の際にチェックしてみましょう。
1.文頭の疑問詞を聞き取る
Where / When / Who / Why / What / Howのどれが設問の冒頭で話されるかに意識を集中しましょう。会話の最初の疑問詞をしっかり聴き取ることで30~50%くらいの問題に正答できます。
例えば、「When~」と聞いていたら、時間が答えになっているのは1つしかなかったり、「Where~」に対して場所が答えになっているのは1つしかなかったりします。
また最初の疑問詞と次に続く動詞がつながって違う音に変化することがあるので、問題演習を繰り返して音に慣れることが必要です。
2.主語が誰かを聞き取る
主語が誰かを聞き取れれば回答が決まってしまう問題も少なからずあります。疑問詞の後の主語にも注目するようにしましょう。
例えば「Do you~」という質問に対して、「I」が主語になっている選択肢は1つしかなく、他は「He」や「She」が主語になっている選択肢があったりするので、誰のことを聞いているのかを意識するだけで正しい選択肢を見つけられます。
3.過去・現在・未来のどれを聞いているかを聴き取る
質問者が過去のことを聞いているのか、たった今のことを聞いているのか、未来のことを聞いているのか、「did/was/had」「do/is/have」「will」などを聞き取るようにしましょう。
例えば、過去のことを聞いているのに「将来どうする」のようなトンチンカンな解答が選択肢に出てきたりするので、質問の時制を判断するだけでも正答率は上がります。
4.会話で出てきた単語および似たような発音の単語は回答にはならない
TOEICリスニングセクションのPart2では本文に出てくる単語と同じ単語および似たような発音の単語をひっかけの選択肢として用意しているので解答の選択肢から外す一方で、本文に出てくる単語の同意語が出てくる選択肢を選択すると正答となりやすいです。
Part3/ Part4攻略のコツ
TOEICリスニングセクションのPart3 / Part4は、以下のことを実施することで、本文が読み終わると同時に解答が終了し、次の問題のスタート前に十分な時間を作れます。私もTOEICの本番試験でPart3/ Part4を解答するにあたり、本文が読み終わる前に解答を完了して次の問題に移行することが良くあります。
1.質問や図表を先読み
Part3やPart4では常に本文が始まる前に問題文と図表を先読みするようにしましょう。選択肢が短い場合には、あらかじめ選択肢を頭にインプットしておくことで本文に答えを探しやすくなります。また図や表は表示されている単語を本文が読まれるときに意識すると良いでしょう。
2.本文で出てくる単語を問題で追う
Part3とPart4については、原則的に本文の会話やスピーチの順に問題が出されるので、本文が始まると同時に設問の1問目の選択肢中の特徴的な単語を抑えるようにしましょう。
読み上げられる本文では同意語もしくは類義語が聞こえてくるので、本文がはっきりわからない場合は、聞こえてくる単語を押さえて順番に解いていくと良いでしょう。
おすすめの教材・アプリなど
おすすめのリスニング対策教材3選
CDプレーヤーでリスニングの勉強をしたい人におすすめしたいのは以下の4つです。
1.CD付 究極の英語ディクテーション Vol. 2 | 横本 勝也
発音と文法の両側面から聞き取れない原因を洗い出して弱点を克服します。「速い英語」「出身国別なまり」「自然な口調」などで応用力もアップ。シチュエーションには「空港シチュエーション」「出張の会話」「店内放送」などTOEICに近いテーマが選ばれています。
2.ゼロからスタート英語を聞きとるトレーニングBOOK | 宮野智靖
1日10分からできるディクテーションプログラムで、初級から中級の様々な素材を書き取りして応用の効くリスニング力を養成します。シャドーイングも並行して実践可能。短文から会話・アナウンス・ニュースなどの音源を使って練習できます。
3.八島式 TOEIC L&Rテストの英語が聞こえるようになる本
Part1・2対策として頭の中にある音と実際の音声とのギャップを知り「英語の音を身につける」。Part3・4対策として英文の語順のままに理解できるように音読をして「英語の語順を身につける」。低速・高速でのトレーニングもできるようになっています。
インターネットサイト(初級者から中級者向け)
実戦形式のTOEIC演習問題ではレベルが高すぎるという方が取り組みやすい音声を用意しているインターネットをご紹介します。
1.英語・英会話リスニングプラザ
リスニング学習のために無料で厳選された素材を提供しているサイト。1つ1分以内の音声教材が初級・中級・上級とそれぞれ20個、計60個公開されています。
2.Online Dictation | EnglishClub
初級・中級・上級と音声が用意してある海外サイト。初級は本当に初心者向けで単語を1語1語ゆっくり読んでくれます。TOEIC対策には上級が普通に聞き取れて800点を超えるかなという程度。音声データの下にディクテーションスペースが用意されています。
おすすめリスニング対策アプリ3選
TOEICのリスニング対策おすすめのアプリについて、当サイトえいごーずが特におすすめするアプリ3つを選び方も含めお知らせします。
TOEICリスニング対策アプリの選び方
TOEIC対策のリスニングアプリの選び方は、
2.問題解説がある
3.間違った問題だけ集中的に復習できるプログラムがある
4.ビジネス関連の音声が聴ける
です。
すべての条件に当てはまるものはないのですが、1の速度の調節ができる、はとても大切で、テンポの速い音声に慣れておくと、本番の試験ではかなり余裕をもってリスニングの試験を受けられるはずですので、1は必須で、残りの3つのうち最低でも1つ兼ね備えているアプリを選ぶと良いでしょう。
1.【初級者向け】スタディサプリENGLISH 新日常英会話コース
スタディサプリENGLISH 新日常英会話コースは純粋なTOEICリスニング対策にはなりませんが、TOEICより口語的な表現を習得できるので、広く英語のリスニング能力を上げるのに役立ちます。
Part1~Part4全般に対応できる能力をつけられるので、リスニング初級者であればTOEIC対策の勉強をする前にこちらを実践すると自分の現在のリスニングレベルから徐々に高めていけるでしょう。
2.【600点~900点レベル】スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース
スタディサプリENGLISH TOEIC対策コースは私も使っているアプリで、初心者から900点超えを狙う上級者まで誰にでもおすすめできます。
初級者向けに「基礎英文法」と「パーフェクト講義・英文法編」を用意し、文法に自信がない人の基礎固めができるようになっている一方で、初級者レベルを超えて600~900点オーバーを目指す人に対しては「パーフェクト講義」や「実践問題集」にて更なる得点アップが狙えるようになっています。
TOEICのリスニング対策については、スタディサプリ ENGLISH 日常英会話コースを無料で利用できるのが大きなメリットです。
3.【860点以上レベル】LissN
LissNは日本経済新聞社がリリースしているアプリで、毎日3~5記事の最新ニュースが配信されます。
英語の音声を聴くことができますが、スマホ上では英語のみ、英語+日本語、日本語のみのパターンで文字にて内容をチェックできます。
1記事当たり2~3分程度の記事音声ですが、最速2倍までの速度調整が可能で、記事を細かく切り出して一部分を集中的にリピートできるのもメリットです。その他、記事ごとの内容は確認問題が有ったり、メモ機能・ブックマーク機能があったりします。
TOEICリスニングセクションのPart3Part4はビジネス関連のコンテンツが多いことから、政治・経済ネタが中心のLissNならTOEICに合ったジャンルの音声を毎日新しいコンテンツで聴けるのでおすすめできます。
その他TOEICのリスニング対策アプリを別記事でまとめていますので、さらに多くのアプリをチェックしてみたい方はそちらをご覧になってみてください。
>>TOEICリスニング対策おすすめアプリ20選|無料もあり!初心者から上級者まで
映画やCNNなどのニュースを聴くのは効果的?
TOEICのリスニング対策に映画やCNNなどのニュースを聴くのをおすすめする人がいますが、これはおすすめできません。
なぜならビジネスのテーマから大きく外れたものが多いので、必要のない単語まで覚えなくてはなりませんし、TOEICの許容量を超えたなまりが入ってくるからです。
映画やCNNニュースを聞けるようになるのは確かに素晴らしいことですが、それはTOEIC900点を超えてからで十分です。
目先TOEICのリスニングで高得点を取るためには、少なくとも日本人が英語を習得するためにサポートプログラム(日本語訳やリピート練習ができる)などを備えているものを利用するのがいいでしょう。
【裏ワザ】リスニングPartで得点力をアップさせるコツ
ここまでTOEICリスニング対策の勉強法について述べてきましたが、直前でも得点力をアップできるいくつかの方法をTOEICリスニングのコツとしてお伝えします。
迷ったら即決
TOEICのリスニングセクションで迷うと次の問題の解答に影響が出ます。TOEICのリスニングセクションには900点超の人しか解けない難しい問題と600点に見たない人でも解ける易しい問題が混在しています。
その対策として設問を読んでもすぐに正答に辿り着けない場合は、その問題への未練は捨てて直感で解答し、次の問題の先読みをして、少しでも全体の正答率を高めるようにしましょう。
マークシート用のシャーペンを使う
TOEIC試験で意外と時間がかかるのがマークシートをマークする動作。マークシート向けに開発されたシャーペンを買うことで不要な時間を短縮できます。
1問につき1秒短縮出来たら200秒、つまり3分20秒、1問につき2秒なら6分40秒も短縮できます。これあながちバカにできないのは一度でも試験を受けたことがある人ならわかるはずです。
ドーピングをする
TOEIC前のドーピングってご存知ですか?何かインチキをするように聞こえてしまいますが、全くそうではありません。TOEICテストリピーターの間ではTOEIC試験の直前にRedBullなどのエナジードリンクを飲むことをドーピングと呼びます。
RedBullにはカフェインが含まれているため、脳神経を興奮させ疲労感を解消させるだけでなく、レッドブルを朝〜昼に飲むことで、カフェインと砂糖(ブドウ糖)の効果で集中力を上げる事ができるんですね。
ただでさえ2時間はかなりの集中力を必要とするので集中力を高め集中力を切らさないためにもRedBullを試験前に飲んでみると良いでしょう。
TOEICリスニング対策の勉強法はリーディングの得点アップにもつながる
TOEICリスニング対策の勉強法・コツ・裏技などについて触れてきましたが、参考になりましたか?この勉強法を少しでも採用していただいて得点力アップにつなげていただけたらとてもうれしいです。
>>TOEICリスニング対策まとめへ