希望に満ちた海外留学にワクワクしつつも、留学先でホームシックにならないか不安な方も多いのではないでしょうか?
また、自分は大丈夫と思っていたのにホームシックになってしまったという留学中の方もいると思います。
私もカナダに留学中、辛いホームシックの時期を経験しました。
この記事では、留学中にホームシックになる原因や症状、私が実際に役に立ったと思うホームシック対策や対処法についてお話しします。
前半では、ホームシックが不安な留学前の方へ、ホームシックになりやすい人の特徴やホームシックになる原因、症状、これからできる対策について、
後半では、ホームシックで悩んでいる留学中の方へ、克服するための対処法や克服にかかる期間についてお話しします。
ホームシックの対策をしておくと、有意義で充実した留学生活にも繋がるので、この記事で自分にあった対策や対処法を見つけてご自身の留学に役立ててくださいね。
留学中のホームシックになりやすい人の特徴
留学中のホームシックは多くの人が経験することですが、特にホームシックになりやすい人には特徴があります。
- 家族や友達と仲がいい
- 引越しや一人暮らしの経験がない
- 一人で行動するのが苦手
- 内気な性格
- 真面目な性格
- 自分で決めた留学ではない
当てはまるなぁと感じた方は、この記事でもお伝えするホームシック対策をしっかりしておきましょう。
留学中にホームシックになる原因
「ホームシックになりやすい人の特徴に当てはまらなかった」という人も油断は禁物です。
なぜなら留学は、これまでと全く違う環境でさまざまなことにチャレンジするため、ホームシックになりやすい環境だからです。
どうしてホームシックになりやすいのか、留学生活に潜んでいるホームシックになる原因について見ていきます。
原因1:「新しい環境=不安」という固定観念
「新しい環境は大変」「一人暮らしは寂しい」など、新しい環境へ行くことにネガティブな固定観念を抱いていませんか?
人間は本来変化を好まない生き物なので、何か新しいことをするときにプラスよりマイナスに考えがちで、ポジティブな視点を見失ってしまうのです。
実際新しいことを始めると、楽しいことがあったり、刺激的な発見があったり、達成感を得られたり、マイナスなことだけではないはずです。
原因2:成果を上げなければいけないというプレッシャー
将来に向けての高い目標や、周りを見返したい気持ちなどから、「留学では必ず成果を残さないと帰れない」とプレッシャーを感じている人も多いのではないでしょうか?
そういう人は、一人でなんでも解決しようと頑張りすぎて疲れてしまったり、悩んだ時に強がって周りに相談できなかったりするため、気付かない間にストレスが限界に達してしまいます。
原因3:理想と現実とのギャップ
留学は人生の大きな決断となることが多く、留学に対して強い憧れや理想を抱いている人もいます。
そういう人は、描いていた留学のイメージと実際の留学生活との間に大きなギャップを感じるので、現状に虚しさを感じやすいです。
原因4:英語がわからない、うまくコミュニケーションが取れない
留学先の学校の授業についていけないなど、自分が思っていたより英語がわからないことが多いと、できない自分に虚しさや苛立ちを感じ、自信をなくしていきます。
また、他国の留学生や現地の人に自分の英語が伝わらなかったり、相手の言っていることが理解できなかったりすると、自発的に話せなくなったり、人と会うのが億劫になったりします。
原因5:友達ができない
留学には単独で行く人が多いと思いますが、現地で友達ができるまでは、自分の居場所がどこにもない気がして、孤独を感じます。
いつまでたっても友達ができないと、自分の悩みを吐き出すことができず、一人で思い詰めたり、日本の家族や友人に頻繁に連絡を取ったりしてしまいます。
原因6:生活環境や食生活が合わない
留学で海外に行くと、現地の生活環境や食生活がどうしても合わない人もいます。
しばらくすると慣れてくる場合がほとんどですが、自分に合わない生活でだんだんストレスがたまり、「日本の方がいい」「日本に帰りたい」など、慣れ親しんだ日本の環境が恋しくなります。
原因7:日本にいる家族や友人、恋人を思う気持ち
自分がうまくいっていない時に、日本にいる家族や友人の近況を聞いたり、SNSでアップされた投稿をみていると、自分だけ取り残されてるような気分に陥ることがあります。
また、恋人が日本にいる場合は、会えない寂しさに耐えられなくなる人もいます。
原因8:留学先での学校が大変
特に海外の大学は、日本の大学とは比べ物にならないほど勉強量が多く、卒業する難易度も高いと言われており、かなり多忙な学生生活を送ることになります。
次から次へと襲ってくる課題やテストで徹夜をすることもあり、自由時間もない日々が続きます。
留学生はもちろんそれを全て英語でこなしていかなくてはならない分、身体的にも精神的にも追い込まれやすく、ホームシックになってしまう人が多いです。
>>留学をする10のメリット|デメリットや成功するコツも
ホームシックの症状とは?
ホームシックになる原因を見ていると、新しい環境で頑張りすぎるとホームシックになりやすいんだな、ということがわかりますよね。
頑張りすぎて精神が限界に近づくと、次第に次のようなホームシックの症状が現れてきます。
- 日本の家族や友人に会いたい、日本に帰りたいと思う
- 一人でいると寂しさや心細さ、孤独感に襲われる
- 人と会うのが嫌になり、部屋に引きこもりがちになる
- 何事にもやる気が起きない
- イライラする
- 意味もなく悲しくなる、涙が出てくる
ホームシックは家族や友人を恋しく思うだけではなく、さまざまな症状があることがわかりますね。
ホームシックになりやすい時期
留学中ホームシックの症状が出やすい時期がわかっていれば、それに向けて対策ができますよね。
もちろん人によってホームシックになるタイミングは違いますが、比較的ホームシックになる人が多い時期があります。
留学先についた初日の夜
留学先に着いた日の夜にホームシックを感じる人は多いです。
空港で別れる時の家族や友人、恋人のことを思い出したり、右も左もわからない環境や先の見えない将来に不安を感じたりすることで、とてつもない寂しさや心細さに襲われます。
留学してから1ヶ月間
学校で友達を作ろうと周りに話しかけたり、学校以外に行動範囲を広げようと新しいことを始めたり、現地生活に慣れるまでの1ヶ月くらいの間には、自分から動いて知らない環境に一人で飛び込んでいかなければならない場面がたくさんあります。
そうすることで経験値が増え人として成長することができますが、一方で孤独を感じやすいため、人と会うのが嫌になって、部屋に引きこもりがちになる人もいます。
体調を崩した時
体調が悪い時、ひとりぼっちだと途方もなく心細くなりませんか?
私が留学中にホームシックになったのも、留学先で体調を崩した時でした。
私の場合は心細さに加え、体調を崩して思った通りにいかない自分に苛立ちや焦りを感じることもあり、精神的にかなり沈んでしまいました。
>>トロントで語学留学&ワーホリにて1年半を過ごした私の体験記へ
うまくいかない時・失敗した時
留学先の生活に慣れた後でも、うまくいかない時や目標を達成できなかった時にホームシックになる人も多いです。
諦めたい気持ちや喪失感を抱くことで、留学に来た目的を見失い、何もする気がなくなってしまったり、「留学する意味がないから帰国したい」と考えてしまったりします。
留学中にホームシックにならないための対策
留学中に潜んでいるホームシックの原因を潰していくためには、不安や悩み、ストレスをためない環境づくりが大切です。
そのための具体的な対策を
- 留学前にできるホームシック対策
- 留学中にできるホームシック対策
- ホームシックに負けないメンタルに大切な考え方
に分けてご紹介します。
留学前にできるホームシック対策
留学前対策1:留学前に英語のレベルをできるだけ上げておく
留学前に英語力をできるだけ上げておくと、
- 自信を持って周りとコミュニケーションが取れ、現地で友達を作りやすい
- 授業を理解しやすくなり、モチベーションを維持できる
などのメリットがあり、ホームシックを防ぐことにもつながります。
特に「知らない外国人を前にすると緊張して何を話していいかわからなくなる」という人は、英会話教室やオンライン英会話などを利用して、スピーキングに慣れておくのがおすすめです。
>>英会話上達法へ
留学前対策2:留学の目標やゴールを明確にする
留学前に明確な目標やゴールを設定しておくと、留学先で常に「留学に来た意味」を持ち続けることができるため、モチベーションをキープでき、辛いことも乗り越えられます。
簡単に見失わないように、できるだけ「具体的に」目標やゴールを決めておくのがポイントです。
留学前対策3:留学前に現地の情報を仕入れておく
留学前に現地の情報をしっかり調べておくことで、理想と現実のギャップを埋めることができ、留学先で不安やストレスも減ります。
どんな情報を集めればいいのかわからない時は、自分が今思っている不安や悩みを紙に書き出してみましょう。
留学前対策4:滞在先をシェアハウス・ホームステイにする
ホームシックが心配な人は、シェアハウスやホームステイなど、誰かと一緒に住むタイプの滞在先を選ぶのがおすすめです。
家に帰ると誰かがいてくれるというだけで安心しますし、一緒にご飯を食べたり話したりできる相手が同じ家にいると、寂しさや心細さを和らげることができます。
留学前対策5:留学エージェントを利用して留学する
留学先で頼れる場所をあらかじめ作っておきたいという人は、留学エージェントを利用して留学するのも1つの方法です。
留学エージェントは情報量が圧倒的に多く、現地の留学生が悩みやすい事柄をよく把握しているため的確なアドバイスがもらえます。
留学先で困った時にすぐ連絡を取れる現地オフィスのある留学エージェントがおすすめです。
留学前対策6:没頭できる趣味や習い事を始めておく
留学先でストレスを解消するためには、定期的に頭をリフレッシュすることが大切です。
そこでおすすめなのが、没頭できる趣味や習い事を始めておくことです。
何かに集中して他のことを一切考えないようにすることで、気持ちが切り替わり、前向きに取り組める活力が湧いてきます。
またその趣味や習い事での出会いも生まれるので、自分の居場所を作ることにもつながります。
留学中にできるホームシック対策
留学中対策1:毎日予定を入れて、忙しくする
毎日予定を入れて自分を忙しくしておけば、必然的に辛い事や悩み事を考える暇がなくなります。
また現地で出会った人との交流が増え、留学生活の充実も図れます。
ただし予定を入れすぎて体調を崩すと逆効果なので、自分の体力と相談しながら予定を入れましょう。
留学中対策2:自分の居場所を見つけておく
友達を作ったり現地のコミュニティに参加するなど、自分の居場所を見つけておきましょう。
自分の居場所があると安心できるだけでなく、話し相手がいることで、
- 溜め込んでいることを吐き出しスッキリできる
- 周りのアドバイスや知恵をもらえる
- 周りの話を聞くことで「辛いのは自分だけじゃない」と思える
など、メンタル維持のためにいいことばかりです。
また、悩みを打ち明けたり自分をさらけ出せる友達や仲間がいれば、留学生活も充実し「日本が恋しい」「日本に帰りたい」という感情を抱きにくくなります。
留学中対策3:日本人の友達を一人作る
困った時やいざという時に助け合える日本人の友達を現地で一人作っておくのもおすすめです。
自分が病んでいる時に、日本語で本音を話せるとスッキリしますし、隣に同じ文化や習慣を持った人がいるというのは留学中は特に安心できることです。
しかし、日本人の友達ばかりを作ってしまうのはよくないので注意してくださいね。
留学中対策4:規則正しい生活を送る
メンタルを維持するために、質のいい睡眠やバランスの良い食事、適度な運動は欠かせません。
留学中ホームシックになる人は、睡眠不足だったり、まともな食事を摂っていなかったり、規則正しい生活がそもそもできていない人が多いです。
勉強をたくさん頑張った後は、しっかりご飯を食べて、ぐっすり眠る。
最も単純かつ効果的な対策ですが、留学中忘れがちなことです。
留学中対策5:SNSの使い方を工夫する
これは日本にいても同じですが、自分が疲れている時にSNSでキラキラした投稿を見ていると、さらに疲れてしまいませんか?
留学できる時間は限られているので、SNSに振り回されている時間は正直勿体無いです。
家族や友人とは必要な時にチャットや電話をすればいいので、SNSで自分の求めない情報が目に入らないように工夫するのがポイントです。
私は留学中、海外用のSNSアカウントを作り、現地で知り合った人や現地のメディアのみをフォローして、英語学習のツールとして使っていました。
>>トロントで語学留学&ワーホリにて1年半を過ごした私の体験記へ
留学中のホームシックに負けないメンタルに大切な考え方
ホームシックに陥るときは、大抵考えがネガティブになっています。
一見ネガティブに思えることでも、見方を変えるとポジティブに捉えることができます。
ポジティブな考え方で、留学中のホームシックに負けないメンタルを維持しましょう。
考え方1:留学中のホームシックは誰もが経験するもの
「ホームシックになる=メンタルの弱い人」と考えがちですが、そもそも留学はホームシックになりやすい環境であることを理解しましょう。
留学中は、新しい環境でチャレンジと失敗を繰り返すため、自分が思った以上に精神的な負荷がかかっています。
実際、私の周りの留学経験者も8割以上はホームシックになっていましたし、ホームシックとは無縁だった人が留学先でホームシックになるのも珍しいことではありません。
考え方2:留学は自分と向き合える最高のチャンス
留学は、自分の弱い部分や足りない部分が見えてきたり、寂しさや苛立ちといったネガティブな感情を持ったり、これまで知らなかった自分と向き合える最高のチャンスです。
自分の正直な気持ちとしっかり向き合うことで、自分を受け入れ、自己肯定力も上がるため、人として成長しその後の人生にもいい影響を与えます。
考え方3:周りに頼るのは悪いことではない
つらい時に周りに頼るのは決して悪いことではありません。
むしろ一人で悩みを抱え込み続ける方が、自分を傷付け、かつ非効率的です。
必死に自分と向き合おうとしている人を否定する人は誰もいません。
考え方4:帰国は逃げではない
「留学中の帰国=逃げ=弱い人間」と考えがちですが、それはただの固定観念です。
むしろ留学中に帰国することは、
- リフレッシュできる
- 留学する目的を再確認できる
- 前向きな気持ちになれる
など、意外とメリットが多いんです。
日本にいる家族や友達に弱い自分を見せたくないと思うかもしれませんが、そういう時こそ快く迎え入れてくれるものです。
留学中にホームシックになってしまった時の対処法
ホームシックは精神的なものなので、対策をしていても気づいたらなってしまっていたなんてこともあります。
そんな時は自分を責めずに、これからお伝えする対処法を実践してみましょう。
対処法1:とにかく誰かと話す
ホームシックに一番効果的なのは、誰かと話すことです。
誰かと話すと、心の中に溜め込んだものを吐き出すことができ、気持ちが楽になります。
相手は誰でもいいですが、同じように留学で現地にいる日本人だと自分の状況もわかってもらいやすく、自分の気持ちを日本語で思うままに吐き出すことができるのでおすすめです。
海外の友達だとどうしても自分の気持ちを細かく英語で伝えることが難しいですし、日本にいる家族や友達だと状況をわかってもらえないことが多いです。
対処法2:思いっきり泣く
思いっきり泣くと、気分がスッキリしたり、悩んでいたことがそこまで大きな問題でないことに気づいたりすることがあります。
思い出のある曲を聞いたり、泣ける映画を観るなど、方法はなんでもいいです。
個人的にはシャワーを浴びながら泣くのがおすすめです。
周りを気にせず声を出して泣けますし、流れ落ちる水と涙と一緒に自分のつらい気持ちも流れ出る気がして、思った以上にスッキリします。
対処法3:日本のものに触れる
留学中、日本人と関わらないようにしたり日本のメディアを見ないようにしたり、日本語をシャットアウトしている人も多いのではないでしょうか?
それは語学力を上げるために有効だと思いますが、自分が辛い時は日本のものに触れてみましょう。不思議とリラックスできますよ。
具体的には、日本人と話す、日本のお笑い番組を見るなどです。
どうしても日本語は避けたいという方は、和食を食べるだけでも十分効果的です。
対処法4:家族やカウンセラーなどに相談する
なかなかホームシックから抜け出せないという方は、日本の家族やホストファミリー、学校のカウンセラー、留学エージェントなどに相談しましょう。
誰であっても解決のために協力をしてくれるので、自分で抱え込まず、周りの力を借りましょう。
対処法5:一時帰国する
どうしてもホームシックから立ち直れないという方は一時帰国を検討しましょう。
前述のように留学中の一時帰国はメリットが多いので、自分の気持ちを切り替えるために必要だと思ったら、ためらわず帰国しましょう。
ホームシックはどれくらいで克服できる?
ホームシックを克服するまでにかかる期間は個人差がありますが、大体1週間〜1ヶ月程度で克服する人が多いです。
私もそうでしたが「気づいたらホームシックのことなんて考えていなかった」という場合がほとんどです。
もし対処法を実践しても、1ヶ月以上何も変わらないという人はかなり深刻なので、日本の家族や学校のカウンセラーなど信頼できる人にすぐ相談しましょう。
留学中のホームシックは多くの人が経験するもの
留学中のホームシックにならないための対策、なってしまった時の対処法についてお伝えしました。
留学中のホームシックはほとんどの人が経験するものなので、「辛いのは自分だけじゃないんだ」と思うと少し気持ちも楽になりますよね。
ホームシックになってしまっても冷静に対処すれば次第に克服できるので、自分の気持ちと正直に向き合ってくださいね。