「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を英語ではどういうかについて解説していきます。
このことわざには4つの英語表現が当てはまりますので、それぞれ見ていきましょう。
意味:苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。
- Danger past, god forgotten.
- There are no atheists in foxholes.
- When pain is gone, it’s soon forgotten.
- Once through the throat, the heat of boiling soup is gone.
Danger past, god forgotten.
- 直訳:危険が過ぎると神様を忘れる。
- 意味:安全になると、祈っていた神様の存在を忘れてしまう。
- 用語:past:過去の、過ぎ去った
解説
日本語のことわざ「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の場合は、「熱さ」で例えられていますが、英語のこの表現では「神様」に例えられています。
危ない状況の時、「神様、助けてください」と懇願しますよね。しかし、安全になると神様の事は忘れてしまう人が多いです。そんな様子から、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と同じ意味で使えます。
格言のような言葉の多くは「神様」を用いた表現が多くありますよ。英語においては宗教に関係があるものが多いため、「god」が例えとして用いられることがよくあります。
There are no atheists in foxholes.
- 直訳:塹壕の中に無神論者はいない。
- 意味:危機にあっては神と向き合わざるを得なくなる。
- 用語:atheist:無神論者 / foxhole:塹壕
解説
英語圏では「Danger past, god forgotten.」よりも、こちらの方が一般的に使われています。
戦場(塹壕の中)のような極限のストレスや緊張に晒された時、どんな人も神を信じ、あるいは神に期待する(ゆえに無神論者はいない)ということを述べた格言です。
1942年3月にフィリピン・ルソン島のバターンで、アメリカ軍の牧師ウィリアム・キャミングスが行った説教中の有名な言葉で、「危機にあっては神と向き合わざるを得なくなる」という意味でよく知られています。
When pain is gone, it’s soon forgotten.
- 直訳:痛みがなくなったら、すぐに忘れ去る。
- 意味:辛いことも終わってしまえば、すぐに忘れ去られる。
- 用語:pain:痛み
解説
こちらも「Danger past, god forgotten.」によく似た表現ですが、英語のことわざではなく「喉元過ぎれば熱さを忘れる」に近い英語表現になります。
ここでは熱さの代わりに「pain」が使われており、苦しい経験を表します。
「gone」と「forgotten」、どちらも受け身の形で過去分詞になっています。
Once through the throat, the heat of boiling soup is gone.
- 直訳:一度喉を通ってしまえば、熱さのことは忘れてしまう。
- 意味:過ぎたことは簡単に忘れてしまう。
- 用語:throat:喉 / boiling:沸騰した、猛烈に熱い
解説
こちらは「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のことわざを、英語に翻訳したものです。
英語圏ではあまり使われませんが、日本語のことわざを分かりやすく表現しています。
「boiling」は「沸騰した」という意味がありますが、「boiling hot」などで「沸騰しているぐらい熱い」と熱さを誇張して言う時によく使われます。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の英語表現について解説しました。
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