「出る杭は打たれる」を英語ではどういうかについて解説していきます。
このことわざには4つの英語表現が当てはまりますので、それぞれ見ていきましょう。
意味:才能・手腕があって抜きん出ている人は、人から憎まれる。さし出たことをする者は人から非難され、制裁を受ける。
- The nail(stake)that sticks out gets hammered down.
- Tall trees catch much wind.
- The highest branch is not the safest roost.
- Envy is companion of honor.
The nail(stake)that sticks out gets hammered down.
- 直訳:目立つ釘(杭)は打たれる。
- 意味:才能・手腕があって抜きん出ている人は、人から憎まれる。さし出たことをする者は人から非難され、制裁を受ける。
- 用語:nail:釘 / stake:杭 / stick out:目立つ / hammer:金槌で叩く
解説
この言葉は日本語の「出る杭は打たれる」を直訳した表現です。
日本には集団主義、和を大切にする、といった文化がありますが、英語圏は逆に個人主義で個性を尊重する文化なので「出る杭は打たれる」に相当することわざはありません。
日本の社会や文化を紹介する際にこの表現を使って説明するとわかりやすいでしょう。
相手に「あんまり目立たない方がいいよ。」と言いたい時は、
- Keep your head down.
- Don’t stand out from the crowd.
と言うこともできますが、海外の方にはそう考える理由を一緒に説明する必要があるでしょう。
ちなみに英語圏には、
The squeaky wheel gets the grease.(きしむ車輪が油を得る=はっきり自己主張すれば、きちんと見返りを得られる)
という正反対の意味を持つことわざがあります。
Tall trees catch much wind.
- 直訳:背の高い木はたくさん風を受ける。
- 意味:目立つ人は周りから憎まれたり非難されたりしやすい。
解説
この言葉はオランダのことわざで、目立つ人は周りから憎まれたり非難されたりしやすいことを背の高い木にたとえた表現です。
最近SNSで有名人への誹謗・中傷が問題になっていますが、このことわざはまさにその状況を表現していると言えますね。
The highest branch is not the safest roost.
- 直訳:一番高い枝が一番安全な止まり木ではない。
- 意味:何事も一番になると、それが問題になることもある。
- 用語:branch:枝 / roost:止まり木、ねぐら
解説
この言葉の由来は不明ですが、「出る杭は打たれる」に近い表現です。
「roost」は鳥が休むための「止まり木」を指し、「一番高い所にある枝を止まり木に選ぶのは安全ではない」という意味になります。
スポーツや勉強、会社の昇格など、誰しもトップを目指して努力しますが、トップの座に着いたら着いたで周りから注目され、非難の的になるなど、決して平穏ではいられないことを表現しています。
Envy is companion of honor.
- 直訳:名誉には嫉妬がつきものだ。
- 意味:賞賛を得ると、必ず嫉妬もされる。
- 用語:envy:嫉妬 / companion:仲間、お供 / honor:名誉、光栄
解説
こちらはことわざではありませんが、何かに成功した人が周りから賞賛を得るのと同時に妬まれたり非難されたりすることを表現した言葉です。
偉大な功績が正当に評価される社会であってほしいですね。
「出る杭は打たれる」の英語表現について解説しました。
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