「十人十色」を英語ではどういうかについて解説していきます。
このことわざには6つの英語表現が当てはまりますので、それぞれ見ていきましょう。
意味:考え・好み・性質などが、人によってそれぞれに異なること。
- Different strokes for different folks.
- To each his own.
- There’s no accounting for taste.
- So many men, so many minds.
- As many heads, as many wits.
- Beauty is in the eye of the beholder.
Different strokes for different folks.
- 直訳:異なる人々には異なる慰め方がある。
- 意味:やり方や考え方は人それぞれである。
- 用語:stroke:なでる、慰める / folk:人々、家族などの人々の集まり
解説
この言葉は、1970年代に使われ始めた比較的新しい表現で、アメリカのロックバンドSly & the Family Stoneの「Everyday People」という曲の歌詞に由来すると言われています。
1974年には、ドイツのフォルクスワーゲンがこの言葉を文字って「Different Volks for different folks.」という広告を出し、話題となりました。
To each his own.
- 直訳:それぞれにはそれぞれのものを。
- 意味:人の好みはさまざまである。
解説
この言葉は、ラテン語のことわざ「Give to each his own thing.」から来ており、現在ではgiveとthingが省略された「To each his own.」の形で使われます。
地域によっては語順が入れ替わり、「Each to his own.」と言われることもあります。
「誰にでも自分の好みを持つ権利がある」といったニュアンスで、好みは人それぞれであることを表しています。
There’s no accounting for taste.
- 直訳:好みは説明がつかない。
- 意味:人の好みは説明がつかないので非難すべきではない。
- 用語:account for 〜:〜は説明がつかない / taste:好み、嗜好
解説
この言葉は、ラテン語のことわざに起源を持ち、16世紀頃から「There is no disputing about tastes.」という形で使われ始め、19世紀ごろに現在の形で使われるようになったと言われています。
たとえば、ある絵画を見て「素晴らしい作品だ」と感銘を受ける人もいれば、「これはただの落書きだ」と考える人もいるように、人によって捉え方が違うのは当然のことです。
どの意見が正しいかどうかではなく、好みや考え方は人それぞれ違うと理解することが大切だということですね。
So many men, so many minds.
- 直訳:たくさんの人がいれば、たくさんの心がある。
- 意味:考え方は人それぞれである。
解説
このことわざは、共和政ローマ時代の劇作家テレンティウスの格言に由来すると言われています。
「人の数だけ違った考え方がある」といったニュアンスで、「十人十色」と非常に近い表現です。
As many heads, as many wits.
- 直訳:頭の数だけ知力がある。
- 意味:考え方は人それぞれである。
- 用語:wit:機知、知力
解説
このことわざの由来は不明ですが、先ほどの「So many men, so many minds.」とよく似た表現です。
ちなみに、発想力が豊かだったり、その場に応じて機転の利いた言動ができる人を「ウィットに富んだ人」といいますが、このことわざにも使われている「wit」から来ています。
Beauty is in the eye of the beholder.
- 直訳:美しさは、見る人の目の中にある。
- 意味:人の好みはさまざまである。
- 用語:beholder:見る人
解説
このことわざは、19世紀に活躍したアイルランドの作家マーガレット・ウルフ・ハンガーフォードが1878年に書いた小説「Molly Bawn」の一節に由来します。
「見る人によって受け取り方は違う」といったニュアンスです。
上記どのことわざも「十人十色」と同じ意味を持つ「蓼食う虫も好き好き」の英語表現としても使えます。
「十人十色」の英語表現について解説しました。
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