「船頭多くして船山に上る」を英語ではどういうかについて解説していきます。
このことわざには3つの英語表現が当てはまりますので、それぞれ見ていきましょう。
【船頭多くして船山に上る】
意味:指図する人間が多いために統一がとれず、見当違いの方向に物事が進んでしまうたとえ。
意味:指図する人間が多いために統一がとれず、見当違いの方向に物事が進んでしまうたとえ。
- Too many cooks spoil the broth.
- If two men ride on a horse, one must ride behind.
- Too many chiefs and not enough Indians.
Too many cooks spoil the broth.
- 直訳:料理人が多すぎるとスープをダメにする。
- 意味:何かを行うときにそれを行う人が多すぎるとうまくいかない。
- 用語:spoil:だめにする、台無しにする / broth:スープ
解説
このことわざは、16世紀のイギリスの歴史家John Hookerが書いた「The Life and Times of Sir Peter Carew」の中の一節「The more cooks the worse potage.(料理人が多ければ多いほど、ポタージュがまずくなる。)」に由来すると言われています。
何人もの料理人がスープに調味料を加えてスープの味がまとまらない様子を表しており、英語圏ではよく使われることわざです。
If two men ride on a horse, one must ride behind.
- 直訳:1頭の馬に2人乗るのであれば、1人は後ろに乗らなければならない。
- 意味:二人で何かを行うときは、リーダーを一人にするのがふさわしい。
解説
このことわざは、イングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる喜劇「空騒ぎ」のセリフに由来します。
「二人で何かに取り組むとき、片方がリーダーとして指導権を握り、もう片方はそれに従った方がうまく進みますよ」といったニュアンスです。
これと反対の意味を持つことわざとして、「Two heads are better than one.(三人寄れば文殊の知恵)」があります。
Too many chiefs and not enough Indians.
- 直訳:チーフは多いが、インディアンが足りない。
- 意味:指示を出す人ばかりで、実際に実行する人がいない様子。
- 用語:chief:チーフ、長
解説
この言葉は、第二次世界大戦終盤、アメリカ軍の状況を報じる記事で使われたのが初めてだと言われています。
「All chiefs and no Indians.」と言われることもあります。
「Indians」はアメリカの先住民を意味しますが、ここでは「指示を実際に実行する人、実際に仕事をする人」のたとえとして使われています。
また上記のことわざ以外にも「船頭多くして船山に上る」を直訳して、
- Too many captains will steer the ship up a mountain.
- Too many navigators wreck the ship.
と表現することもできます。
「船頭多くして船山に上る」の英語表現について解説しました。
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