英単語の覚え方について、勉強法や暗記のコツなどをお伝えしていきます。
英単語がなかなか覚えられない、暗記が苦手という人や今より効率的に覚えたいという人は多いですよね。
私自身大学受験をして慶應義塾大学に合格し、2019年10月にTOEICを受験して880点を取得しています。私が英単語を暗記する際に使った学習法は誰でもまねできるものなので、是非参考にしていただきたいです。
当記事では左脳と右脳の記憶法の違いから英単語学習の心構えをお知らせしたうえで、英単語の暗記法として10のステップを紹介していきます。
>>今すぐ英単語の勉強法|ゼロから暗記する10ステップへ飛ぶ
左脳的覚え方と右脳的覚え方
英単語を覚える際に、左脳を使って覚える方法と右脳を使って覚える方法があります。
左脳は言語脳と言われ、記憶や論理をつかさどり、右脳はイメージ脳と言われ、身体感覚や空間認識をつかさどります。
左脳を使った暗記は短期記憶、右脳を使った記憶は長期記憶と言われますが、左脳には記憶したデータを格納するスペースが少なく、一方で右脳には左脳に比べてはるかに膨大なスペースがあります。そのため右脳を使った方が記憶に残りやすいです。
英単語を覚えられない人は暗記だけに頼っている
英単語をなかなか覚えられない人は、英単語の記憶を全て左脳を使った短期記憶に頼っているのが原因と考えてください。
英単語の中にも、よく目にするから覚えやすい単語と、なかなか目にしないから覚えにくい単語があります。そのため左脳と右脳をうまく使い分けると効率よく英単語を覚えていけます。
こちらでは英単語を覚える際の心構えをお伝えしたうえで、左脳を使った暗記法と、右脳を使った長期記憶法の両方をお知らせしていきます。
英単語を覚える際の心構え
まずは英単語を覚える際に必要となる心構えをお知らせしていきます。これができないとそもそも英単語を効率よく覚えられないので心にとどめて実践していきましょう。
最低限の英文法の知識は頭に入れる
英単語を長期記憶に頼って覚える場合、中学レベルの英文法の知識はあった方が良いです。
もし中学程度の英文法の知識がおぼつかなければ、英単語を覚えるのと並行して基礎的な英文法の知識も習得するようにしましょう。
英文法を基礎から学びたい人には、数多くの演習と動画講義がセットになった「動画英文法2700」というアプリがおすすめです。
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毎日やる時間を確保する
私が高校生の時は通学時間が1時間以上ありましたので、単語を覚える時間に通学・帰宅の合計2時間以上を充てていました。朝と夜に記憶する時間を作ることで、単語に触れていない時間を短くでき、記憶への定着度を高めることに成功していました。
このように1日のうちで決まった時間を英単語を覚える時間に必ず充てることをおすすめします。
通学・通勤時間が短い人は朝1時間早く起きる、昼休みの1時間を使うなど、何かしら時間を作る必要があります。
英単語を覚えるベストなタイミングは?
記憶を定着させやすい時間帯は、夜寝る前です。
日中は様々な情報が外部から入ってくるため、脳がその処理に追われ、情報が蓄積せず消費されてしまいます。一方で睡眠中は日中に仕入れた情報を脳が整理するので、直前に仕入れた情報であればあるほど、脳に残りやすく定着しやすい状態になります。
日中に覚える時には短期記憶を利用して大量の英単語を脳に入れる一方で、夜寝る前には長期記憶を利用して覚えづらい単語を覚えるようにすると良いでしょう。
1週間単位で学習計画を立てる
月~金は登校・出勤し、土日は休みというスケジュールで動いている学生さんや多くの社会人を基準にすると、1週間を1つのサイクルとして学習計画を立てるのがおすすめです。
平日は毎日新規に英単語を覚え、週末に総復習するなど、そのスケジュールをうまく活用して英単語の勉強法を決めるとよいでしょう。
シフトでお仕事されている方は、なかなかペースがつかめないかもしれませんが、1週間もしくは2週間で何語覚えるというのを決めて、毎日に割り振ると決めやすいでしょう。
単語帳に書き込む
単語帳にはドンドン書き込み&マーカーをしていきましょう。単語帳をきれいに使っても全く意味がありません。
1回で覚えられない英単語にはチェックを入れたり、問題演習で分からなかった単語にマーカーを引いたりすると、覚える作業に濃淡をつけられるようになり、効率よく暗記を行えます。
単語帳に書き込めば書き込むほど、その書き込みがイメージとして脳に残り、長期記憶にも残りやすくなる効果もありますので、是非やってみてください。
書いて覚えるのはNG
小学生のころ漢字を覚えるのにノートに何回も書いたという記憶がある人も多いかもしれませんが、英単語に関しては書いて覚えるのはNGです。30秒~1分に1語のペースで覚えなくてはいけない英単語の勉強法に書いて覚える方法は禁じ手です。
忘れるのを気にしない
人間は忘れる生き物です。忘れるのを気にせず、どんどん新しい単語を覚えていきましょう。
忘れると言っても自分と単語の距離感によって忘れる速度というのは異なります。ある単語は半年先も忘れないかもしれませんが、ある単語は3ヶ月後、またある単語は明日には忘れているでしょう。
記憶の程度も100%と0%どちらかではなく、ある単語は70%、ある単語は50%、またある単語は30%、ある単語は全く覚えていない、というように記憶度が異なるのは理解できるはずです。
例えば「go」「black」「school」など日本語でも頻繁に出てくる言葉であれば、多くの人は半年先でも覚えていられるでしょうが、「calculation」「stapler」などは明日にでも忘れているかもしれません。
繰り返し覚える
英単語は繰り返し覚えることでその記憶度を高められます。
英単語を記憶するには時間を空けずに何回も同じ英単語に当たるほうが記憶度を早く高められますが、だからと言って英単語帳の最初の方で同じ単語を何回も見ていてもなかなか全範囲をカバーできません。
そのため忘れるのを前提としてどんどん前に進んでいき、全てカバーしたらまた最初に戻って覚え直すのを繰り返すことにより、次第に各単語の記憶度を高めていきます。
あまりにも単語の量が多い場合には例えば1000語を1区切りとして1000語をひたすら繰り返し、ある程度の分量を記憶できたと感じたら、さらに新たな1000語に取り組むようにするのもありです。
覚えた内容をどのくらいのスピードで忘れるのかということについて、20世紀初頭のドイツの心理学者のエビングハウスが実験により導き出しました。「エビングハウスの忘却曲線」と言われるものです。学習した内容は急速に忘れ去られていくものの、反復学習を行うと長期記憶に引き継がれることがわかっています。以下のグラフは、最初に記憶した内容を再度覚え直すのに最初の力を100としてどの程度の力を節約できるかを示したものです。
さらに次のグラフでは、1日後、2日後、3日後、、、と覚え直すことで記憶への定着度が上がり、覚え直す労力が次第に少なくなっていくことが示されています。
そのため覚え始めは何度も目に触れるようにして、記憶に定着して来たら、頻度を落としても大丈夫なことがわかるのではないでしょうか?
ちなみに、暗記よりも理解して覚えると、この減少率はより緩やかになっていきます。
英単語の勉強法・覚え方|ゼロから暗記する10ステップ
英単語は簡単に暗記できるものもあれば、暗記するのが難しいものもあります。それは普段の生活や問題演習などで目に触れる頻度により変わってくるといってもよいでしょう。こちらでは英単語の勉強法や覚え方について10のステップでお知らせしていきます。
1.まずは見出し語のみを集中的に
まずは見出し語のみを集中的に暗記していきましょう。英単語によっては2つ3つの意味を持つものもありますが、当初は冒頭の1語の意味を暗記する程度で、周回するうちに暗記する範囲を広げていくと良いでしょう。
2.1日2時間を学習時間に充てる
短期間で英単語を覚えるには1日の中である程度の時間を確保しないといけません。1日にまとまった時間を2時間、できれば朝夜1時間ずつをあてると短期間で反復して目に触れる回数が増えるので記憶が定着しやすくなります。
3.平日は新規の暗記、週末は復習に充てる
平日は新規に覚える単語を増やしていって、週末にその週に覚えた単語や前週までに覚えられなかった単語の強化を図る時間に充てます。強制的に覚える単語数を増やしつつも、過去に覚えた単語の記憶が薄れるのを防ぎます。
4.1日に100語、1週間に500語に新規に目を通す
平日は毎日100語を新規に覚えるようにしましょう。100語の中で覚えきれない単語は間違いなく出てくるので、翌日最初に見直して不明語・曖昧語をあぶりだし、合間の時間を見つけて目に触れるようにしましょう。完璧主義は捨て、毎日新規の100語を取り込むことが大切です。
5.単語帳は何回転もする前提で
1日2時間で100語暗記すると決めたら、最初の12分で10語、120分で100語、というように覚えるのではなく、30分で100語覚える作業を4回繰り返し、2回目以降は曖昧な英単語を重点的に、という考えで取り組んだ方が効率は格段に高いです。
6.2週目以降は前週までの不明単語+新規単語
2週目以降は水曜日に前週までの不明単語の復習Dayを1日儲け、1週間に400語を学習します。1週目の暗記にそれほど時間を使っていなければ、毎日の暗記に過去週の不明単語を復習する時間を儲けると良いでしょう。
7.暗記したものは定期的に見直す
暗記したものは週末に定期的に見直して不明単語をリストアップするようにしましょう。定期的に見直しても明確にわかる英単語は見直すのを2週、3週、4週と間隔をあけ、新規の英単語・曖昧単語を覚える時間をできるだけ確保するようにしましょう。
1週目の週末は1週目の復習、2週目の週末は1・2週目の復習、3週目の週末は2・3週目の復習、4週目の復習は1・3・4週目の復習、5週目の週末は2・4・5週目の復習、6週目の週末は5・6週目の復習、7・8週目を6週目までの総復習の期間にあてて3,000語をカバーできます。
7・8週目も同じペースで暗記していけば、2ヶ月で4,000語までカバーできます。
8.見出し語を8割暗記できたら発音・派生語・関連語へ
まずは見出し語を8割暗記できたら発音や派生語・関連語まで覚える範囲を広げていきましょう。発音は意外と把握できていない場合があるので、この段階で改めて確認しましょう。派生語・関連語は新規に見出し語を暗記するよりも簡単ですが、見出し語からイメージできない意味を持つ関連語もあるのでチェックしておくと良いでしょう。
9.暗記できない単語は英文や画像検索で覚える
どうしても暗記できない単語がある場合、単語帳についている英文とともに覚える、英文を自作して覚える、Googleの画像検索で覚えるという暗記法があります。通常の暗記が左脳記憶である一方で、これらの記憶法は右脳(長期)記憶であるため、記憶に定着しやすく、忘れにくいというメリットがあります。
センテンスや画像については、フラッシュバック法という覚え方があります。勉強法の紹介が終わった次のセクションで、お知らせします。
10.90%以上マスターしたら新しい単語帳へ
1つの単語帳を概ね90%以上マスターすると、暗記作業がマンネリ化してきます。マンネリ化してくると単語の見直し作業が惰性になってくるので、新たに単語帳を購入してチェックしてみると良いでしょう。意外にも元の単語帳の記載位置で覚えているだけで、完全には記憶できていない単語があることに気づくはずです。
フラッシュバック法
フラッシュバック法とは、ある事柄をイメージと結び付けて無意識レベルの記憶にまで落とし込む方法です。単語単位でイメージングする場合もありますが、一語で覚えづらい英単語を文単位で覚える目的で活用します。
英単語をイメージと結び付けてうまく記憶につながる理由は、五感のなかで脳内に伝わる情報の8割が視覚からの情報だからです。
以下にフラッシュバック法の具体的なやり方をお知らせします。
- ワンセンテンスをピックアップ
記憶したい単語を使った例文をピックアップし、その例文の状況をクリアにイメージします。 - 3単語を抜き出す
例文の中から、覚えたい単語を含めた、イメージに取り込みやすい3語を書き出します。 - イメージと英文をつなげる
書き出した3語を見て、例文とイメージを瞬時に思い浮かべ(フラッシュバックさせ)ます。
英単語ノート/オリジナル単語帳の作り方
英単語を覚える際に単語カードを使って覚える人がいますが、これは作る手間がかかるのに加え、覚える作業のスピードも遅くなるのでおすすめしません。
しかし単語帳を覚えていくなかで大部分の英単語を覚えた後に残った覚えづらい英単語のために単語帳をめくる作業もまた手間がかかります。
そういう状況になって初めて英単語ノート(オリジナル単語帳)を作るステップに入ります。
単語帳を9割以上覚える
英単語ノートを作るタイミングは、単語帳に掲載されている英単語の少なくとも90%以上覚えた段階、欲を言えば95%以上を覚えた段階が望ましいです。
90%以上、95%以上覚えたと言っても、その90%、95%の中には短期間で忘れてしまう、まだまだ曖昧な単語も含まれているため、記憶できたと思える単語の割合を高くしておくことで、覚えた単語の記憶率・定着率をより高めることができるという効果も期待できます。
覚えられなかった1割をノートに書き出す
どうしても覚えられない単語をノートに書き出します。私の場合はA4のノートを4等分して、左から英語、日本語、英語、日本語、の順に並べて書き出します。
以下の画像は利用中の単語ノートです。私の場合は、日本語から英語が言えるように、日本語、英語、日本語、英語の順に並べています。
定期的に単語帳を総ざらいして記憶の曖昧なものを洗い出す
単語ノートを何回も繰り返し覚えていき、1週間に1度程度単語帳を総ざらいして、不明単語を再度ノートに書き出し、そのノートをまた覚えるという作業を繰り返します。
英単語ノート作成時のスケジュール例
英単語ノートを活用する段階に入ったら、
・平日は英単語ノートをひたすら覚える
・週末に単語帳を復習してわからない単語を書き出す
というスケジュールにすると良いでしょう。
英単語帳を選ぶ3つのポイント
世の中には非常に多くの英単語帳が出回っていますが、どのように選んだらよいのでしょうか?こちらでは英単語帳を選ぶ3つのポイントをご紹介します。
目的に沿ったもの
大学受験、英検、TOEIC、TOEFLなど、その目的によって覚えるべき英単語が変わってきます。目的に沿った英単語帳を選ぶようにしましょう。
例文があるもの
難しい英単語はセンテンスの中で覚えると記憶に定着しやすいので、例文があるものを必ず選びましょう。
音声が聴けるもの
英語試験にはリスニングがつきものですし、将来を考えるとやはり英語を聴き分けられる力は必須です。英語リスニングのもととなる各英単語を聴き分けられるようになるためにも、発音記号と音声が聴ける単語帳を選ぶようにしましょう。
>>TOEICの単語帳おすすめ15選へ
楽しみながら英単語を覚える方法
単語帳や単語ノート、問題集など以外で英単語を覚える方法として、以下の3つが挙げておきます。
洋楽を聴いて覚える
ハイテンポな洋楽を聴いてもなかなか耳に入ってこないので、スローテンポな音楽から入るようにすると良いでしょう。その際に歌詞を見ずにひたすら音声から単語を聴き分けられるようになるまで聞き込むのがおすすめです。
聴いている曲全部を発音含めてなりきりで何も見ずに歌えるようになったらその曲中に出てくる英単語のリスニングについてはかなり聴き分けられるようになっているはずです。
海外ドラマや映画を見て覚える
洋楽以上におすすめなのが、海外ドラマや映画です。日本語字幕が出るので、意味を理解したうえで何と言っているのか英語の発音に集中してみましょう。耳が慣れてきたら字幕を見ずに会話のみから1語1語を聴き取れるようになると良いでしょう。
英単語を英語のシチュエーションの中で覚えられるので、長期記憶に入っていきやすくなります。
英文記事を読む
英文記事も時事ネタの中で英単語を覚えられるので、脳に定着しやすいです。自分の興味があるジャンルの記事であれば、そのジャンルの重要度に応じて単語の出現頻度が決まってくるので必然的に重要度の高いものから覚えられるようになるでしょう。
【参考】それぞれの試験に必要な単語数
英単語を集中的に勉強する理由は何かしらの試験に向けて、その試験に頻出の単語を覚えたいからだと思いますが、大学受験、英検、TOEFL、TOEICそれぞれに必要な単語数が気になる方もいらっしゃるかと思います。
必ずこれだけ覚えておかなくてはいけないという数はないのですが、いくつかの情報源をもとに一般的にこれくらいの単語数を覚えておけばいいという目安をお知らせします。
・5,000語:大学受験、TOEIC600点、英検2級
・8,500語:TOEIC800点、英検準1級
・10,000語:TOEIC900点、TOEFL100点
・13,000語:英検1級
覚えなくてはいけない単語数を見て驚いた方もいるかと思いますが、これには「a」「one」「two」や派生語も含まれますので、ゼロから覚えなくてはいけないものはこれよりもかなり少ないということを知っておくと良いでしょう。
英単語の覚え方・勉強法まとめ
ここまで英単語の覚え方や勉強法について、多くのコツをお伝えしてきました。
もちろんここに書いてあることをすべて実行する必要はなく、見ている中でできることからやって行くと良いでしょう。
ただし、英単語を覚える心構えで書いた
1.週間スケジュールを立てる
2.毎日時間を作って記憶・暗記する
3.繰り返し覚える
この3点は特に英語初級者(高校・大学受験、TOEIC600点、英検2級程度)は必ずやりましょう。数多くの英単語を知っていることで解ける問題は確実に増えます。